ワタクシ、学生時代は長いこと飲食店でアルバイトしていたのですが、お酒も出るお店ですと、お客さんの中に必ず一定の割合でですね、いらっしゃったわけですよ。
「ゴルァ!店長呼んでこいやぁ!」
と言う方が。
その頃まだ19歳か20歳くらいだったワタシはシミジミ思いました。
「こういうオッサンだけにはならんとこう」・・と・・・
僕にとって目指すべき大人というのは、経済力でも社会的地位でもなく
「『店長呼んで来い!』と言わない大人」だったのです。
さて。
昨晩の話です。
ワタクシ、週に一回はマンガ喫茶で晩飯を食べるのが習慣になっております。
なんでそんな習慣があるのか?ってことについて述べると長くなりますので割愛いたしますが、まぁ言ってみれば少年マガジンは少年のためだけにあらず・・・ってところですかね?
(最近では「G・E」がお気に入りです)
で、昨晩も行ったわけですね。
行き着けのマンガ喫茶へ。「黒馬伝説 尾張旭店」です。
その時ワタシ結構お腹がすいておりましてですな。
ガッツリと定食モノか何かを食べたかったんですな。
で、各テーブルについている内線電話で「生姜焼き定食」を注文したらですよ。
店員さん言いましたよ。
「ご飯が今炊けていませんので、あと一時間くらいかかるのですがよろしいでしょうか?」と。
は?この晩飯時にご飯切らしてると?
しかもねぇ「よろしいでしょうか?」ってねぇ、よろしくはありませんよ。全く。一時間だよ!?
腹は減ってるし、家に帰るのも遅くなります。
で、あらためてメニューを見まして、出来そうな焼きそばとかスパゲッティ類を眺めたのですがどーもピンときません。
もう口が「定食のクチ」になってしまっていますし、なにしろ僕は三度の飯よりも白米が好きなのです。
幸い自転車で10分も走ればもう一軒マンガ喫茶がありますのでそっちにでも行くか〜・・と電話越しに店員さんに「今日はじゃあ帰ります」と告げて、伝票持ってレジに行くとですな・・・
いかにもボヤ〜〜っとした別の店員さんが「あ・・・¥400になります・・」と告げてきました。
は?お金取るの??
「いや・・・何も食べてないんですけど・・」とワタシ。
そうすると学生バイトと思しきそのバイト君。
「一応お席についた分料金がかかるんですけど・・」ときました。
その時ワタシ、喉まで出そうになったんですよ。
「ゴルァ!店長呼んでこいやぁ!」・・・と・・・
いやいやいや。待て待て待て。
このレジのバイト君は僕が何も食べずにお店を出る経緯を知りません。
そこはちゃんと説明してあげないと・・・と「これこれかくかくしかじかで・・」と説明をいたしましたら、そのバイト君、裏に引っ込んで社員と思われる人の指示を仰いでから「今回は無料でいいです」てことで落着しました。
いやよかったよ。
若き日の誓いを破ることになりそうだったヨ。
てかそれ以前に、
どんな状況であれ50近いオッサンがよりにもよってマンガ喫茶で学生バイト相手にゴネてるのってどーなのよ?ええ??あまりに小さいでしょ?ヒトとして??400円だよ?400円。
僕は隣町のマンガ喫茶までキコキコと自転車を漕ぎながらなんだな涙ぐみそうになりました。
その涙は若い頃の理想とかけ離れた大人になってしまいそうになった自分への失望なのかもしれません・・・
こんなボクを19歳の頃のボクが見たらどう思うんだろう??
「大人になるのって・・・難しいものだな・・」と僕は夏の夜空に向ってつぶやいたのでありました。
真夏の夜の小さいオハナシでした。